外回り看護師の役割とポイント

外回り看護師の人ってあまり見ることがないけど、実際にはどんなことをしているんですか?

なかなか見る機会がないから分からないよね。今回は、外回り看護師の役割とポイントについて詳しく解説するよ!
外回り看護師の仕事は、手術の 術前・術中・術後 の3つのフェーズで大きく分けられます。それぞれの役割と、押さえておきたいポイントを解説します。
それぞれ役割と抑えておきたいポイントについて解説します。
術前の役割とポイント
① 術前訪問を行う
手術前日に患者のもとへ訪問し、患者の状態や不安を把握します。手術室の看護師は、患者が覚醒している状態で接する機会が少ないため、術前訪問はとても貴重な時間です。患者との信頼関係を築き、不安を軽減することで、安全・安心な手術のサポートが可能になります。
② 部屋の準備を行う
術式や執刀医に合わせて、必要な器械や物品を過不足なく準備します。不足があると手術が中断することになり、麻酔時間が延びるだけでなく、医師の信頼も損なう恐れがあります。術式ごとの準備はもちろん、出血リスクや開腹リスクを想定した予備の準備も行うと、緊急時に慌てずに対応できます。
③ 麻酔薬・挿管の準備をする
麻酔薬の準備は看護師が行う病院も多く、医師の指示書に従って薬剤を正確に準備する必要があります。薬剤の誤認防止のため、シリンジにはラベルを貼る・薬液名を記入するなどの工夫が必要です。麻酔導入の流れを理解しながら準備を進めることで、より安全な手術につながります。
挿管準備では、挿管チューブ・シリンジ・固定テープ・聴診器などを用意し、チューブのカフに破損がないかも確認しましょう。
④ 導入前に打ち合わせ
麻酔導入前には、看護師・麻酔科医・臨床工学技士などと情報共有を行い、リスクや注意点を共有します。特に高リスク症例では重要なステップとなり、トラブル発生時の迅速な対応が可能になります。

準備だけでなく多職種で症状共有しておくことが大切なんですね。

多職種で情報共有しておくことですぐに対応できるチーム作りをすることができるんだよ!
術中
① 麻酔科医と連携
外回り看護師は、麻酔科医と連携し、薬剤の追加・採血・患者状態の変化に迅速に対応します。コミュニケーションを密に取りながら協力体制を築くことが重要です。
② 器械出し看護師と連携
手術中は、外回り看護師が常に術野を観察することは難しく、器械出し看護師との連携が不可欠です。変化があった際に即座に共有し合うことで、安全な手術進行が可能になります。
③ 尿量、出血量のカウント
麻酔科医が輸液量を調整する際に必要な情報として、尿量・出血量の正確なカウントが求められます。これらの数値は患者の循環動態に大きな影響を及ぼすため、適切に報告しましょう。
④ SPDより必要なものをピックアップ
術式の進行に伴い必要な物品は変化します。あらかじめ中盤・終盤で使用する物品を予測して準備しておくことで、タイムロスを減らすことができます。

あまり見ることがない外回り看護師だけどいろいろな役割があるんですね。

外回り看護師は麻酔科医と協力して手術中の変化に対応していくことが多いんだよ。
術後
① 抜管の準備
手術終了後には抜管を行うため、ネラトンカテーテル・シリンジ・エアウェイ・聴診器などをあらかじめ準備しておきましょう。手術が終わる少し前に用意しておくことで、スムーズな抜管が可能になります。
② 覚醒評価・状態観察
麻酔から覚めた患者の覚醒状態やバイタルサイン、創部の痛み、悪寒の有無などを評価します。患者の言葉だけでなく、触診などを通じて総合的に観察を行い、安全に病棟へ引き継ぎましょう。

手術が終わったらすぐに家族に会えるのかと思っていましたが、まずはしっかり評価を行っているんですね。

そうなんだよ。術後の評価をしっかり行うことで、安全な状態で家族と面会できるようにしているんだ!
まとめ
今回は、外回り看護師の役割について、術前・術中・術後それぞれのポイントを解説しました。
外回り看護師は多職種と連携し、チーム医療の中心として活躍しています。器械出しとの連携はもちろん、麻酔科医や他のスタッフと情報を共有することが、手術の安全・円滑な進行に大きく貢献します。
これから手術室看護師を目指す方や、新人看護師の皆さんの参考になれば嬉しいです。今後も実践に役立つ情報を発信していきますので、ぜひチェックしてくださいね!
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